日本の伝統的な家屋はどこに行ってしまったの?

 屋根は茅葺きか日本瓦、壁は漆喰、窓は木枠、玄関は引き戸、廊下と障子、かって普通であった自然素材をふんだんに使い、自然換気と調湿性に優れ、結果的に人間の健康を確保する日本の伝統的な家屋はどこに行ってしまったのでしょう。国の建築行政、建築家あるいは建築業者は何故、簡単に日本の伝統的な材料や工法を捨ててしまったのでしょうか。また、新しい建材や工法に疑問を持たなかったのでしょうか。化学的な知識から判断し、居住者の健康を配慮したなら、現在の状況はかなり変わっていたと推定されます。

建築基準法の第一条、目的には、「この法律は建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低の基準を定めて、国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もって公共の福祉の増進に資することを目的とする。」とあります。シックハウス症候群を生ずる家屋は明らかに建築基準法違反ですが、有害物質とシックハウス症候群との医学的因果関係が証明されていなかったため裁判では患者が負けるという結果でしたので、「シックハウス症候群----東京地裁が初認定」は画期的な判決でした。

化学辞典にはホルムアルデヒドやトルエン等の有毒性、許容濃度、ラットの致死量等が記載されています。化学分野の技術者であれば、毒性に関する知識は常識的な知識です。合板等の接着剤、塗料を開発するとき安全性や人体に与える影響、医学的な問題に配慮がなされなかったのかどうか。健康被害より、経済性を優先したのかどうか。

 アメリカの住宅は、平均寿命200年、ヨーロッパの平均は100年から150年で、ドイツでも平均80年が住宅の寿命と言われています。日本は30年から40年が寿命で早いもので15年程度で建て替えと言う場合があるといわれています。明らかに環境とエコに反し、諸外国と比較すると、住宅が割り箸のように使い捨てられています。

 先日、テレビでバンクーバーの建て売り住宅を紹介していました。散歩できる庭付きでした。都会に経済が集中し、コンクリートの箱の中で生活し、自然の営みを知らずに育った子供はどうなるのでしょうか。自殺者の増加、鬱病の増加も無関係ではないように思えます。専門家の中には、キレル子供、離婚などシックハウスが関係している場合があると指摘しています。

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